先日の「後継者の会」で、いま会の中で一番勢いのある後継経営者が、ある不安を吐露した。

「“ひとりでも生きていける力”がほしい」

その後継経営者は、自らの手で事業を拡大し、社長(親)を納得させる形で事業承継を進めている、
人間力も経営力も両方持ち合わせた方なので十分にその力はあると私は思うのだが、
最近、自身で仲間の会社をコンサル支援をして結果を出しており、経営者としての成果ではなく、
個人としての成果がとても楽しいという話の流れから、その裏側にある不安を聞くことができた。

「経営者として成功しても、戦争やコロナなど外部環境の変化で会社がつぶれてしまったら・・・その後ひとりの力で生きていけるのだろうか」

そんな不安を吐露していたのです。

それに賛同する後継者の会メンバーも多く、
企業を承継し経営者となっていくことに覚悟をもった後継者たちでも、
経営者ではない人生になってしまう可能性について不安があるようでした。

私は、結果を出している後継経営者の言葉だからなのか、「ひとりの力だけで生きていけない」という発言が結構衝撃的でした。
一方で、すごく冷静に自分の人生を分析しているんだなと感心もしました。

確かに、創業者は事業のゼロイチを知っているし、従業員は会社を移ればよいし、個人でフリーでやっている方は、
どこでもやっていける感覚を持っているかもしれない。

一方後継者は、後継経営者以外の人生を歩めなくなる感覚があるのかもしれない。

後継者は、いるだけで価値があり、覚悟を持って経営すれば多くの人を幸せにできる存在と後継者の学校では伝えているが、
後継者から外れた時どんな人生があるのかまでは伝えていなかった。

後継者が経営者として成長していくプロセスで、後継者の能力は覚醒し、なんにでもなれると理屈では考えられるが、
本人たちは自分だけの力で何かを成しえないと、本当の意味で自分自身を認めることが難しいのかもしれないなと思った。

今のままでも十分イケてる。

後継者の学校 代表 大川原

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