「後継者として生きる」という選択をした人はどんな人生を送るのでしょうか。
長年にわたり後継者たちとガチンコで向き合ってきた私から見た考察をしてみました。

後継者として生きるということは、世間から見えるほど、楽ではありません。

確かに金銭面でいえばサラリーマンより収入が多い人のほうが多いかもしれません。

ただ、後継者は創業者ではないため、自分が本当にやりたいことである場合はそんなに多くありません。
また、後継者は身の丈に合わないことをしなければならない宿命と向き合い続ける必要があります。
私の肌感覚でいえば10年近くはその宿命と向き合いつづける下積みをしなければなりません。
10年下積みをしっかりと続けた後継者だけが、次のステージで後継者といわれない本物の経営者になっていっています。

また、後継者は自由に見えるかもしれないが、従業員、取引先、親、兄弟、親族などしがらみが多すぎて、創業者と比べると全く自由ではありません。
前述した収入もサラリーマンよりは多いかもしれないが、創業者と比べると収入の決定自由度は高くないので、もどかしい気持ちになります。

他にもいろいろと楽ではないことはあるが、なぜ後継者という道を進んでいるのか。

これは、後継者自身も気づいていない人も多いかもしれませんが、
あなたが後継者として生きるということは、すごく大きな意味を持っているのです。

わたしの話になりますが、最近、おじさんになって初めて子供ができました。
これは私の人生にとって、とても大きな出来事でした。
これまで、「何のために生きているのか?」ということについて、多くの方が自問自答してきたと思います。
私もその一人でしたが、明確な答えまでたどり着かなかったのですが、子供が生まれた時、子供が成長している時、明確に感じたこと。
「何か大事なものを次の時代につなげるために生きている」

大事な何かを次につなげていくことは、生きるということについて、とても大事な要素だと実感したのです。

後継者にとって、事業を承継することも同じです。

先代、先々代からつないできた大事な価値を次世代につなげていくことができる唯一の存在。

後継者が生きる意味としては十分ではないでしょうか。
後継者だけが、事業で積み上げた価値を未来につなげていくことができるのです。

超優秀なビジネスマンや発明家、研究者など、未来に大きな影響を残す人もたくさんいます。
一方で、たとえ凡人でも、もがきながらも価値を未来につなげることができたら、それは同じくらい意味のあることだと私は思います。

ただ、後継者の生きる様が多くの人を幸せにもするし、不幸にもします。
不器用でも社員や社会や自分のために、学んで行動して前進する。そんな姿がかっこいい生き様になって伝播していくのではないでしょうか。

ぜひ意味のある後継者人生を歩んでください。

後継者の学校 代表 大川原

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